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はにゃーんブログ

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【読書】会社を変える分析の力

読書

感想

データを扱う部門に関わる方、これからデータを扱おうと思っている方は必読の書。データは、扱うことや分析することが目的になってしまいがちであるが、それは間違いであり、ではどうすればよいかということを丁寧に記している。誰かからの伝聞でなく、筆者の長年の経験で培ったものなのだなぁ、ということが切に伝わってきた。たまに厳しい言い方になっているところが気になったが、それくらいの方が心に刺さった。発行日は2013年であるが2016年現在でもまだまだ通用する、むしろもっと広めるべきな内容であった。改めて、データを扱うプロフェッショナルとは、ということを考えさせられ、自分の活動を反省した。

大切っぽいこと

データ分析に関する勘違い

  • 「データ分析」は「データ」で「問題」を解決すること
  • ITや分析手法は手段に過ぎない
  • 数学力がなくても分析はできる

  • 「分析の価値」= 「意思決定への寄与度」×「意思決定の重要性」

  • 方法論からの脱却
    • 分析手法に関するこだわりを払拭し、意思決定に役立つことだけにこだわる。
    • 大切なのは、データから意思決定に役立つ材料を得ることだけ。
    • それをつなぐ方法は統計分析でも数理計画でも単なる見える化でもいい。エクセルで計算できる簡単な分析手法でもいい。
    • そう思うと、方の力が抜けて分析に対する正しい価値観が芽生えてくるはず。
  • 分析も使ってもらえなければただの無駄
  • 間違った活用のされ方のケース
    • 「不確実性の軽視」
      • 神様タイプ:「神のみぞ知る」言葉を理解しない人々
      • 確信犯タイプ:将来予測に限界があることをしりつつ、一つの予測値を決めてくれるほうが楽なので、決めてほしい。たちが悪い。
    • 「分析への過剰期待」
      • 前提条件に基づく分析結果を前提条件なしで解釈したり、本来はデータ分析で解明できない問題を強引に分析すれば、それはもはや誤った情報になる。
    • 「結果への事前期待」
      • 期待に沿った分析結果が得られれば良いが、期待に反した分析結果が得られた場合は、それを軽視する傾向。
    • もしあなたが、データ分析の結果を意思決定に活用する立場にあるならば、分析に対する誤った期待を抱かずに分析結果と対峙してほしい。データ分析は、意思決定者のあらゆる期待に応えられるものではないし、意思決定者が期待している結果と合致知るとは限らないし、神様のように将来を言い当てるものでもない。データ分析は、人間の洞察力を補完するものに過ぎない。そこをよく理解すると、データ分析とビジネスのパイプはもっと太くなる。
分類 分析手法 事例
予測型 販売量予測 過去トレンドや気温影響などから販売量を予測
医療費予測 レセプトデータや検診データから医療費を予測
異常検知型 機器故障予兆分析 故障前に生じる異常状態を検知することで予兆
サイレント故障分析 正常時の状態値から逸脱を検知
サーバログ解析 ログデータをもとに以上を予兆
最適化型 車両配置最適化 到着時間をシミュレーションすることで最適配置を探索
在庫最適化 予想需要と品質期限から最適在庫量を導出
ワークスタイル分析 PC操作ログからアプリの使用状況を解析
自動化型 シフトスケジューリング 労働条件を満たす勤務計画を自動生成
プラントオペレーション 複雑なプラントの操業計画を自動生成
判断型 顧客ターゲティング ターゲット顧客を選定
エリアマーケティング ターゲットエリアを選定
Webサイトアクセス分析 各サイトにどれだけのアクセスがあるかを分析
発見型 口コミ分析 ブログなどのテキスト情報をマイニング
アクセスログ分析 自社Webサイトのアクセス情報を分析
コミュニケーション分析 メールログから人の繋がりを可視化
商品分析 同時に買う可能性の高い商品群を抽出
リスク計量型 倒産リスク計量 格付けと倒産データから倒産リスクを算出
市場リスク計量 モンテカルロシミュレーションを用いたリスク計量
社外データ活用 気象データ活用 販売量予測、プラント操業計画、売上予測などに活用
渋滞データ活用 車両配置最適化、配送ルート最適化などに活用

表 代表的な分析手法と事例

  • ビッグデータの本質とは、「部分計測から全数計測へ(from some to all)」
部分計測の世界(従来) 全数計測の世界(ビッグデータ
一部の顧客にアンケートして得たデータ ウェブ上の全顧客の購買行動データ
ある病院における患者の最新の診断データ 日本中の患者の数十年間の診断データ
実験室で計測した自動車の性能データ 日本中で走行している自動車の性能データ

表 部分計測の世界vs.全数計測の世界

  • ビッグデータ活用がうまくいかない理由
    • 必要なデータがすべて揃っている訳ではないこと
    • 説明責任を果たせないこと
    • ビッグデータ」は打出の小槌ではないから
      • どれだけ大規模なデータを集めても、そこからイノベーションが勝手に生まれてくる訳ではない
      • ビジネスへの展望なしでビッグデータを分析しても、役にたたない分析結果が溢れ出るだけ
  • 手つかずのリトルデータがまだまだ眠っている。秒単位のデータを分析する前に、日次データは十分に分析できているか自問してみる

データ分析でビジネスを変える力

  • データ分析とは、問題を解明するためにデータから知識を得ること。どれだけ立派な知識を得ても、意思決定に役立たない知識ならば、ビジネスには役立たない。さらに、仮に意思決定に役立つ知識を得ても、それを実際のビジネスに使わなければ無駄。
データ分析でビジネスを変える3つのプロセス
ビジネス課題
↓ 1. 見つける
分析問題
↓ 2. 解く
数値解
↓ 3. 使わせる
ビジネスの意思決定
  • 分析者の分類

    • バックオフィス型分析者
      • オフィスに閉じこもってコンピュータを使って分析をしている人。前述の「解く」ことしかしない分析者
    • フォワード型分析者
      • オフィスに閉じこもらずにビジネス部署や現場に刺さり込んで、分析課題の発掘や分析ソリューションの導入まで手掛ける人。前述の「見つける」「解く」「使わせる」をすべてやる人。
    • つまり「解く力」だけに長けたバックオフィス型分析者では、データ分析でビジネスを変えられないということ
  • データ分析でビジネスを変える力

    • 見つける力(問題発見力)
      • ヒラメク力
      • ビジネス側から発想する
      • 目利きする力
    • 解く力
      • 分析問題を設定する力
      • 現場力で解く力
      • 過不足なく解く力
      • 分析ミスをしない力
    • 使わせる力
      • 意思決定に使えるか見極める力
      • 使い方を伝える力
      • ビジネスを変革して、はじめて達成感を感じてもらいたい。そのためには、分析結果を報告したことで満足するのではなく、意思決定者が感じる「半信半疑」と「面倒くささ」を解消することを手伝い、分析結果をビジネスに活用するように背中を押す必要がある。
問題 データ 分析結果 意思決定 ビジネス価値
データの壁 分析の壁 KKDの壁 費用対効果の壁

図 データ分析が成功するまでにこえなければいならない4つの壁

分析力を向上させるための流儀

  • 四つの問いを自問自答してみる

    • その数字にどこまで責任を取れるか?
      • この数字で会社が意思決定をしても、後悔しないか?もし、会社のお金ではなく自分の全財産を投資するならば、自分の分析結果を信用して判断するか?
    • その数字から何がわかったか?
    • 意思決定にどのように使えるのか?
    • ビジネスにどれぐらい役に立ったか?
  • 正しい動機を持とう

    • ○:意思決定を支援すること
    • ×:特定の意見を支持すること
    • ×:説得力のある分析手法を行使すること
    • ×:アナリストとして有名になること
  • 懐疑的になろう
    • 発見したパターンや関係が「真実か錯覚か」を疑い、本当のパターンや関係であるかを見極めなければならない。
    • データの山からパターンや関係を見つけたときに、どれだけ懐疑的になれるか、どれだけ「本当かな?大丈夫かな?」と思えるかが、優れた分析者になれるかどうかの分水嶺になるかも。
  • 謙虚になろう

    • 分析者は、データ分析について謙虚な気持ちを持つとともに、KKD(勘・経験・度胸)に対する敬意も持たなければいけない。
    • そうすることで、データ分析とKKDが融合した最高の意思決定スタイルを築くことができる。
  • 分析者は、意思決定問題に対して受動的な姿勢でなく、能動的な姿勢で関わっていかなければいけない。そのためのポイント。

    • 意思決定問題は正しく設計されているか吟味する
    • データ分析の力を効果的に活用できるように意思決定問題を見直す
    • 成功を手掛かりに、(データ分析を活用できる)次の意思決定問題を探す
  • 良い習慣をつけるー分析者九ヵ条

    • ビジネスの現場に出よう、ビジネス担当者とコミュニケーションしよう
    • 整理整頓を心がけよう
    • なぜ?なぜ?なぜ?
    • データをビジュアル化しよう
    • 他人のデータを疑おう
    • Simple is better
    • ざっくり計算
    • 文章を書こう
    • うまくいかなければ、目的に立ち戻ろう

分析プロフェッショナルへの道

  • プロフェッショナルとは?
    • スペシャリストーある分野において専門力を有する人
    • プロフェッショナルーある分野において専門力を有し、それを報酬につなげられる人
  • 分析プロフェッショナルの要件

    • 成果志向
    • 実績と信頼
    • 売り物になる専門性
  • データ分析を積極的に活用しない企業は生き残っていけない三つの理由

    • IT革新の恩恵で、データ収集やデータ分析のコストがますます安価になるから
    • 経営環境がますます複雑になるから
    • 経済環境がますます厳しくなっているから
  • 分析プロフェッショナルに向いている人がもつ適正

    • 論理的思考力
    • 右脳的思考力
    • 感受性
  • 優れた分析プロフェッショナルと並みのプロフェッショナルの違い

    • 課題発見力
    • 仮説力
  • 分析プロフェッショナルへの道

    • ビジネスに関連する専門知識を身に付ける
    • 世の中にあるデータを知る
    • 良い人脈を大切にするオリジナリティを大切にする
  • 分析プロフェッショナルという職業の魅力

    • 役立っていることを実感できる
    • 自分らしさを発揮できる
    • 広い世界で生きられる